ロコモティブシンドロームが気になる方へ
昨今、最近テレビや雑誌などで「ロコモ」という言葉を見聞きされることも多いのではないでしょうか。このロコモ、正式には「ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)」といい、日本整形外科学会により提唱されおり、加齢により、骨・関節・筋肉といった運動器の働きが衰え、「立つ」、「歩く」といった日常動作が困難になり、要介護状態になる危険性の高い状態を指します。
そして、ロコモティブシンドロームの中で、筋肉の量が減少することで全身の筋力が低下してしまうことを、サルコペニアといいます。
個人差はありますが、筋肉の量は40歳前後から減り始め、高齢になると筋力はますます衰えてしまいます。
また、筋力の低下といった身体的な変化だけでなく、精神的な衰えも伴うことで、要介護などに陥る手前まで生活機能そのものが衰えてしまった状態のことを、フレイルといいます。
更に、フレイルは筋力の低下で動作が不自由になったり、転びやすくなったりすることだけでなく、認知機能やうつといった心の問題、更にはお年寄りの閉じこもりといった社会的な問題も含んだ概念でもあります。
しかし、ご家族や医療者がフレイルの兆候にいち早く気付き、適切に対応することができれば、健常に近い状態へ改善したり、要介護状態になってしまう可能性を減らすことができますので、まずは当院へお気軽にご相談頂ければと思います。
ロコモティブシンドロームの原因
ロコモティブシンドロームの原因には様々なものがありますが、まず多いのは、膝の関節にある軟骨が加齢とともに弾力を失うことで擦り減って変形してしまい、動作時に痛みが生じる「変形性膝関節症」です。
その他にも、関節炎などの関節障害、骨がもろくなる骨粗鬆症、脊柱管狭窄による神経障害など様々なものがあります。
下記の項目の中に当てはまるものがある場合、または気になる症状がございましたら、まずはお気軽に当院へご相談ください。
- 家の中で、躓いたり滑ったりする。
- 片脚立ちで靴下がはけない。
- 階段を上がるのに手すりが必要である。
- 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である。
- 15分くらい続けて歩けない。
- 家のやや重い仕事が困難である。(掃除機の使用、布団の上げ下ろし など)
- 横断歩道を青信号で渡りきれない。